認めているからこそ

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ほんのわずかな間、場の空気は和んだがすぐに二人は顔を引き締める。 先に動いたのはカイン。 黒のローブのオーラを纏った彼の動きはライファの懐に目で追えぬ速度で飛び込む。 「甘いですの!」 しかし、それを待ち構えていたライファは魔武器を横に薙ぎ払った。 「…………」 (っ!しまっ――) が、カインも彼女の動きを予想していた。 横薙ぎを後ろへ一歩下がり避けると、隙だらけのライファにソロウを振り下ろす。 《グランドスピア》 ライファも負けてはいない。 カインの振り下ろされた剣から体をずらしながら地面に手を向けると魔法を放つ。 地面が揺れ、魔法の前兆を感じ取ったカインは強引に剣を止めると横へ転がるように回避した。 カインは素早く立ち上がると、すぐ目の前にはキングスティアーが迫っていた。 《ダークレイ》 ライファへ手の平を向けた瞬間、彼女の体は後ろへ吹き飛んだ。
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