認めているからこそ

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絶え間無く続く魔法攻撃。 カインは集中がその魔法にしか向けられなくなり、回りが見えなくなっていた。 《グランドスピア》 (またか……) 内心、ため息をはきながら回避行動に移ろうとし、横を見た瞬間冷や汗が流れた。 (まずい!) 時計回りに動いていた結果、ちょうど一周してしまった。 そして、回避する位置には一番初めに放たれたグランドスピア。 後ろや前に回避すれば事無きを得られたであろう。 だが、一瞬カインの動きが止まった。 「……ようやく、ですの」 ライファが呟いた時、カインの体は宙を舞った。 この時、ライファの努力が報われた瞬間であろう。 考えて魔法を放つ。 ライファがこの一年、一番力を入れていた部分であった。
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