認めているからこそ

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背中から打ち付けられたカインを見て、今度は詠唱を開始するライファ。 最後まで油断しない。 これは一年前学んだことである。 (……っ!やばい!) 少しの間、空を眺めていたカインであったがライファからの魔力を感じ取ると激痛の中、体を起こした。 魔力を感じる、魔族からの教科書に載っていたことをカインは出来るようになっていた。 魔力で誰が誰とは判別できる域には達してはいないが、目の前の魔力なら感じられるようになった。 (右足と右手は無理か……) 防御壁の中、貫かれることはなかったが、右半身はあまり言うことを聞いてくれそうにはなかった。 (しょうがない、か……) カインはライファを見ると、ため息をはく。 (避けろよ、ライファ) そして、左手をライファに向けた。
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