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プレゼントは気持ちだと言うが、それは多分本当の事なんだろう。
もし、その気持ちをお金に換算できるとしたら。暦が俺にくれた380円のジャージも、何百倍の値段に跳ね上がるのだろう。
そう考えると、28000円のワンピースも、まんざら高い買い物じゃなかったのかもしれない。
「暦」
前を向いて、再び歩き始めた暦を俺は呼び止めた。
「夕飯も俺の作ったのを食べるんですか?」
「そのつもりだよ、ヤーマダの料理は美味しいからね」
「じゃあ……何かリクエストとかあります?」
「リクエスト…か……オムライスとか?」
また可愛いもんを要求しやがりますな…。
「じゃあ今日はオムライスにしますか」
「本当か!? なら走って帰るぞ! 走って走ってお腹を空かすのだー!」
そんな事しなくても、昼飯抜いちゃったから腹ぺこなんですけどね。
暦は夕日をバックに走り出しました。
剣塚 暦
俺のお隣りさんで、同じ高校の先輩。
色々と変わっていますが。この人となら、なんだか楽しくやっていけそうな気がします。
「そうだヤーマダ、オムライスにはちゃんとケチャップで『萌』って書いてよー?」
「それは俺じゃなくてアキバ辺りのメイドさんに頼んで下さい」
楽しくやっていけそうです………多分…。
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