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声の主は暦でした。
教室の前の方の扉から俺を呼んでいるようです。
俺が少しビックリしながら席から立ち上がると、暦は一つしたの学年の教室なのに全く遠慮なしでずんずんと俺の前までくる。
「な、どうしたんですか?」
「部活だ部活! ほら早く」
そう言って俺の手を取り、半ば強引に教室を後にする。
出ていく時に後ろから男の声で。
「呪い殺す」
と、聞こえたのは、なかった事にします。
さてさてそんなこんなパンナコッタなんのこっちゃ。
暦は俺の手を引っ張り、部室塔までやってきました。
「そろそろ説明して欲しいんですけど……暦、部活って何なんですか?」
「天文部に決まってるだろ」
「天文部!?」
「あれ? キミ、天文部入るとか言ってなかっけ?」
初耳なんですけど……。
暦はあれあれ? とか言いながら首を傾げている。こうゆう天然な所が男子にウケるんですかね。
まあ、俺は里山さんの方がいいと思うんですけど。
「そうか、言ってなかったか……まあ、とにかくキミは今日から天文部員だから」
「って! そんな勝手に決めないで下さいよ。俺はまだ入るなんて……それに部活まで一緒になっちゃったら、それこそ四六時中一緒じゃないですか!」
すると暦は立ち止まり、俺の方を向く。
「嫌なの?」
ゆっくりと口を開きながら。
「ボクと四六時中一緒じゃあ嫌なの?」
さも不思議そうに暦はそう言いました。
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