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理由は簡単、家があったはずの場所が消し炭になっていたからです。
どうやら俺がいない間に放火魔が出没したらしいです。そして放火魔が出没した後は、なんかもう団体ツアー客が楽々とバーベキューを出来るんじゃねぇっかて程の炭の山……。
幸い通帳とハンコは無事だった為お金には困らないのだが。
とにかく、こうゆう時に頼りになるのは親。しかしながらウチは母子家庭しかも親は海外を放浪中……。
まあとにかく指示だけでも仰ごうと国際電話してみた所…。
『荒川の河川敷なんか住みやすそうだよ』
それだけいって切られました。
折り返し電話してみても何故か繋がらず…。母よ、貴方は息子にホームレスになれと? ホームがレスなお方になれと!?(既にそう)
そしてこの絶望的状況は純情な少年の心を打ち砕くには十分過ぎる程でありました。
そして現在に至る。
「ふふふ、星が綺麗だなー」
そう言ってはみるが……。
はぁ、軽く死にたい。
試しに思いっ切りため息をついてみたが気分は晴れるはずもなく。
ふと子猫を見ると、俺のベルトの余りのビラビラとしていた部分を玩具にして遊んでいた。
「まったく、立場わかってんのか。捨てられたんだぞ? 誰かが拾ってくれなきゃ死ぬんだぞ?」
そう言って子猫の頭を撫でる。
ホントに呑気だな、俺も見習うか。
もう一度空を見上げ星を見てみた。大きいよな、大きくて広い綺麗な空だ。
いつも見ているはずの空がいかに広大なのかがわかった。そしてそんな空を見ていると、なんだが頑張れる気がしてきた。
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