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その後、何度かお誘いを受けたが…
その時の亮には誰とも食事を共にする気にもならず断り続けた。
「サンロク祭りは?」
そんな問い掛けに亮は・・・
「麻衣の浴衣姿、見る事が出来ないかも知れない・・・」
「なんで?」
亮はメールでくどくどと伝える事が面倒で、その時はそんな煩わしい事をひどく嫌い、電話で話をする事にしてしまった。
遊ぶ気にならなくなったこと…
麻衣のしたこと・・・
いろいろ話した。
麻衣は泪をこらえられなかったらしい。
もともと強がりの麻衣だから…
「泣いてないよ!風邪気味なだけ・・・」
いくつか…街では、神社のお祭りや夏祭りがあって…
それでも麻衣に会う事もなく…
当然、麻衣の浴衣姿を見ることもなかった。
やがて、サンロク祭の日を迎えた。
逢いたくない訳がない。
浴衣姿を気にしてない訳でも決してなかった。
やっぱりあの子の浴衣姿見たくて、ある日ふらふらと亮は街に出てしまった。
『しばらくは街に出ない…』
そう宣言しておきながら…
優柔不断な男である事は亮も充分承知していた。
しかしやっぱり人並みに“サンロク祭”を亮も楽しみたかった。
でも麻衣以外の子と歩くつもりは毛頭なかったし、心にしまって置きたいほどの想像するあの子の浴衣姿…
亮は今まで夢にまで描いていたのだから…
亮は街に出て来て良かったと思った。
麻衣の浴衣姿は想像以上に可愛いく思えた。
そして亮は麻衣がいつもより愛らしいと思った
しかし…
そんな麻衣は僕に最後まで笑顔を見せてはくれなかった…
傷めつけた陶器の傷はそうたやすくは修復出来ないのかもしれない、
そう感じた…
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