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あの日、亮の見た夢は
きっとふらふらとさまよう亮の優柔不断な行動を諭しているかのようにも思えた。
麻衣の陰をすでに今は見つめているのに…
ある意味哀しさや寂しさをも感じていた。
「俺の持つお金が悪いんだ」
そんな風にもいつしか思い始めていた。
ある日…
「美嘉に送る“ツケマツゲ買いに行くの付き合って!”
そんな風にメールをしてみた。
かなり時間をおいてメールが返ってきた。
「ママの関係する野球の応援に行っててメール返せなかった…」
「ごめん…忙しい時に…」
亮はつまらない勘違いをして、そう返信してしまった。
その後の何度かのメール…
独りで街をぶらついている麻衣。
「永山のお祭りってどんなの?」
そんなお誘いを感じるメールにも
もう既に亮にとって何の行動も出来るはずもなかった。
「夜も遅いんだから、もう帰ったら?」
「今の時間には家に戻りたくない…」
「どうして?」
「訳はいつか話す…」
そう言ってメールは途切れた。
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