麻衣の時季・・・

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今、使えるお金… それをすべて使い切ろう 亮はそう思った 「取り合えず、何が必要?」 「部屋には、なんもないから…」 麻衣は決してねだる事をしなかった 「冷蔵庫?テレビ?何?」 「うーん…洗濯機かなぁ~」 亮は家庭電化製品など自分で買いに行った事がなかったからどの位するものなのかも判らなかった 亮はこっそり下見をしに行った 『こんなにするものなんだぁ…』 亮にとっては特に動揺するほどの金額ではなかったのだが、この高価な買い物で廻りの目がどうゆう風に見るのかだけが心配だった しかし既に動き出している舟 一応は、父親のような口調で 「あまり最初から贅沢するのは良くない もしここで洗濯機のランクを落とせば、冷蔵庫とか他のものも買えるんだよ」 「そうする…」 麻衣は意外に素直だった それから度々、亮は麻衣と買い物に出掛けた 洗濯機と冷蔵庫は既に買った あとはなんだろう~ 「何見に行く?」 何気なく麻衣に聞いてみた 「ベッドとかソファーが欲しい…」 「明日見に行く?」 「亮さんの都合が良いなら…行きたい」 家具…それも亮が真剣に買い物した記憶のないもの 取り合えずは、一般の為に流通する大型の家具店に行ってみた 一通り値段を把握し、次には若者達に人気のオシャレな家具屋に見に行った やはり可愛いデザインのものが揃っていた 値段は極端に可愛くなかったのだが… 麻衣の選んだベッドは… 何故かダブルベッド ソファー あれこれ悩んでいたが、 白可愛いタイプを選んだ しかし亮のこの日の資金… ベッドは買えたものの、ソファーまで手が出なかった 軽く情けない気持ちでいっぱいになった 次はガラステーブル 財布の中身と相談しながら何とかなった 財布の中身を見ながらの買い物は、亮にとっては初めての事だった 当然その夜は同伴をお断りした それも亮にとっての初めての決断だったように思う
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