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空は微笑っていた。
これほどまでの闘気を放つ者には出会った事がない。
喜んでいるのだ、強い相手との戦闘を、純粋な命の奪い合いを。
………先に動いたのは空だった。
清聖を横薙ぎに振る。すると生じた真空が斬撃となって女性を襲う。
女性は屈んで避け、そのまま躊躇う事なく空に突っ込みレイピアを突きだす。レイピアの輝きが一閃となるほどの速さだが、空はそれを刀の柄で右に流した。そのまま半回転し右足で回し蹴りをする。一応当たるがダメージはない。恐らく横に跳んで軽減させたのだろう。
しかし空には相手が女性だと言うためらいもあるだろう。
そのためらいは、時間が経つ程に二人の動きに差をつけていく。
天使は何度も突っ込み、空がそれを受け流す。
速さは互角の様に思えた。
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