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気温が急激に下がり、辺りが凍り付いていく。体長3メートル程のゴーレムを氷が包む。
雫「は……やく。……っ!!」
息を切らし、悠介を見て言葉を紡ぐ。悠介が壊そうと大剣を引いた瞬間、氷が砕け、岩の人形が動き出した。そして悠介達を近寄らせまいと暴れ回る。
"あぁもう めんどくせぇな"
そう呟いたのは大和。
それが聞こえた者は空の他にはいなかっただろう。
その動きが見えた者は空の他にはいなかっただろう。
四人が気付いた時には、蒼い槍がゴーレムの胸を貫いていた。
槍から出ているおびただしい熱。空気は歪み、辺りに散らばる氷は一瞬で蒸発し、風が水蒸気を巻き込み渦を巻く。
「砂に還んな」
その言葉でゴーレムは砂塵と化し風に紛れる。大和が武器を納めると風が止む。そこには何も残っていなかった。
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