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「あの…耀さん、此処は…?」
耀さんに連れられるまま歩いていた私は、気付けば見知らぬ部屋の前にいた。
何か、怒らせるようなことをしたのだろうか?
私の質問に、耀さんは答えない。
ただ一言、
「入るよろし。」
と言ってドアを開けた。
大人しく中に入れば、ベッドが一つ置いてあるだけの殺風景な部屋だった。
まるで牢獄のようだ。
そんなことを考えていた時突然後ろからガチャリと音がした。
驚いて後ろを振り返ればドアには南京錠。
「!!?耀さん、何を…ッ!」
「菊…。菊は我よりアイツの方が大事あるか?我のことなんか嫌いあるか?」
耀さんの言っている意味が理解できない。
何故そんなことを私に聞いてくるのか…。
一刻も早く、アーサーさんの元へ帰りたい…。
ただ唖然としている私に構わず、耀さんは独り言のように続ける。
「そんなの許さねぇある。菊は我だけのもの…菊は我だけ見てればいいよろし。」
「……!!」
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