プロローグ

2/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「ばいばーい」 「また明日ねー」 「じゃーねー」 僕は公園の出口で友達と別れて家へと走った。 帰ったらお風呂に入って、お母さんが作った晩御飯を食べて……。 背中に当たる夕日が僕の体をより暖める。少し汗ばんできた。 でも早く明日になるために今日も早く寝なきゃ……。 そこで急に走る速度が落ちた。 「なに……これ……?」 いつも通っている道路の姿が明らかに違っていた。ヒビの入ったアスファルト、崩れたブロック塀、折れた植木……。 「事故あったのかな……」 僕は何だか不安になって全力で駆け抜けた。家まであっという間だった。 「ただい……」 急に後ろで大きな音がした。驚いて後ろを見ると、そこには今まで見たことも無い化け物がいた。 そいつは腕と思われるものをこちらに伸ばしてくる。僕は恐怖のあまり動く事が出来なかった。 「あ…………」 その手が触れるか触れないかという時、僕は突然後ろに引っ張られる。 「お母さん……!」 お母さんは僕を家の中まで引っ張ると力一杯玄関の鍵を閉めた。 「大丈夫!?」 「う……うん」 「隠れるよ!」 僕はそのまま引きずられる様に二階の寝室へ連れていかれた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!