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「ばいばーい」
「また明日ねー」
「じゃーねー」
僕は公園の出口で友達と別れて家へと走った。
帰ったらお風呂に入って、お母さんが作った晩御飯を食べて……。
背中に当たる夕日が僕の体をより暖める。少し汗ばんできた。
でも早く明日になるために今日も早く寝なきゃ……。
そこで急に走る速度が落ちた。
「なに……これ……?」
いつも通っている道路の姿が明らかに違っていた。ヒビの入ったアスファルト、崩れたブロック塀、折れた植木……。
「事故あったのかな……」
僕は何だか不安になって全力で駆け抜けた。家まであっという間だった。
「ただい……」
急に後ろで大きな音がした。驚いて後ろを見ると、そこには今まで見たことも無い化け物がいた。
そいつは腕と思われるものをこちらに伸ばしてくる。僕は恐怖のあまり動く事が出来なかった。
「あ…………」
その手が触れるか触れないかという時、僕は突然後ろに引っ張られる。
「お母さん……!」
お母さんは僕を家の中まで引っ張ると力一杯玄関の鍵を閉めた。
「大丈夫!?」
「う……うん」
「隠れるよ!」
僕はそのまま引きずられる様に二階の寝室へ連れていかれた。
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