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私は「カグヤ」
この青く美しい世界に舞い降りた月の咎人
この地へ降りた理由は、私が犯した罪への贖罪
私は不老長寿の秘薬によって死が許されない体になった
そして、罰として次の性を地上で過ごすことに
私は見知らぬ世界に恐怖した
筒状の植物に閉じ込められ、この地上の民を待つ
もしもその民が、誤って私をそれといっしょに斬り裂いたなら
たちまち私は仮の死に至り、新たなそれに転生するであろう。
惨事が訪れないことを望み、ただひっそりと植物の中で体を震わす
私は死ねない体になった。
しかし、痛みがないわけではない
月で処刑された時も、感じたことのない痛みに恐怖した
恐ろしくて逃げだしたくなった
痛みは嫌いだ、痛いのは怖い
だから、私は地上に落とされると聞いた時はとても嬉しかった
この痛みの地獄から解放される
それだけで、私は呑気にうかれていた
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