12人が本棚に入れています
本棚に追加
実際は地上に落とされ、見知らぬ世界に一人きりだ
怖くて恐ろしい
何が起こるかわからない
この狭い植物の中で幾度死ぬのか考えたくもない
私は今、煉獄にいるのだ
空から見ていた地上は青くてきれいだった
いつかは、あそこに行ってみたいとさえ思っていた
だが、今は違う
咎人として、この地に堕ちた私には全てが恐ろしかった
月では姫として育てられた
月での暮らしは何も不自由のない生活であった
しかし、この地上で私には何の救いもない
ましてや、恐ろしい怪物にでもあってしまったならば
私は、どのような恐怖と痛みの中で死ぬのだろう
私はひっそりと竹の中で誰かが私を拾ってくれるのを待った
数週間待っても誰も来ない、数ヶ月経っても誰も来ない
そして、数年たったある日私は竹取りをしていたお爺さんに出会った
最初のコメントを投稿しよう!