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老人は私の目から涙が落ちるのを見てびっくりしたように言った
「婆さんや
神様が泣いていらっしゃるよ
何をそんなに泣いているのだろうかね。」
「わからんよ
天界で悪さして此処に落とされて、私達が優しくしているから罪悪感で胸が締め付けられたりしているのではないですか?
なんてね、私達の思いが伝わっているのではないのですか?」
カグヤは一瞬ビクッとなった。
この老婆は何者であろうか、私がこの地上に来た理由を見事に言い当てた
しかし、地上の民に私の過去は知らされていない筈だから
心配はないと思うのだが・・・
老人は、「神様に失礼だぞ」と言って老婆を叱る
老婆も素直に反省して握っている私の手に力を込めた
「ごめんなさい
この老婆が嫌なことを言ってしまって
あんたが不死の薬でも見繕って、それがバレて此処に落とされたなんて思って」
老婆はそんな事を言って涙する
「だから、この老婆はどれだけ感がいいですか
予知か?この老婆は私の過去を見ているのか?
そんな事をした暁にはあんたが神様だよ」とカグヤは心中で叫びながらも口を噤み
ゆっくりと瞳を開ける
老人は私が起きたことを素直に喜び
老婆は「素直に起きたわね、まるで起きていたみたい」と喜んだ
カグヤはこの老婆は危険だと思いながら二人を交互に見て軽く会釈した
「お爺さんとお婆さんは誰
私は何でここにいるの?」
子供らしく口を開き、老人へ目を向ける。
頼む、老人
婆さんが変なことを言う前に説明とかしてください
老人は自分の心を読んだように、すぐに優しく説明してくれた
竹の中から私が出てきて、家に連れて来たと
私は罪のことが二人にバレてしまうといけない、と初めて聞いたような顔をした
お爺さんは、お腹が空いているだろうと老婆に飯の支度をするように言った
老婆はすぐに寝室を後にする
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