始まり

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きっと、自滅する 私は財産を奪われ、ここから追い出されてしまう あぁ、文無しで世渡りは不可能だ 永久の命で出来るし事は限られているし、地上に力を使うわけにはいかない 死んだような顔をする私を見て老人は眉を潜めた 「神様や起きたばかりでお疲れですか? 良ければお名前をお聞きしてもよろしいですか」 私は言われるままに自分の名前を口にした 「蓬莱の・・・カグヤ」 聞こえるか聞こえないかの声で答えると老人はすぐに頷いた 「蓬莱山 輝夜 それでよろしいですか?」 私は無言でうなずく どこで生きていくにも名前は必要だ 蓬莱山輝夜 これからはそう名のろう
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