403人が本棚に入れています
本棚に追加
三人は図書室で勉強をする約束をしていた。
中庭から図書室までのゴシック様式の廊下を三人で歩く。
「今日はどんなジャンルの勉強にしますか?」
アイルがレイナに聞いた。
「そうね…今日は錬金術にしましょう!」
レイナがブロンドの髪を後ろへ跳ねあげながら言う。
「僕は錬金術、苦手だなぁ…」
ライトは天井を仰ぎながらため息をついた。
レイナは横目でライトを見る。
「あんた、バカね。苦手なものを克服しないで卒業するつもり?」
「そんなんじゃないよ!ただ苦手って言っただけで…」
「あっそう、言い訳ね。」
レイナがツンと横を向いた。
言い足りなかったのか、また口を開く。
「ライト、あんた、だいたいね…」
「ストッープ!!」
険悪な二人の間にアイルが割って入った。
「もう、二人ともやめてください。レイナはライトを心配してるだけなんですよねっ?」
アイルがレイナに困ったような表情で言った。
レイナはキョトンとしていたが、みるみるうちに頬がピンク色になり、
「心配?私が?なんでライトを心配するわけ?意味わかんない!」
と、早足に図書室に向かってしまった。
取り残されたアイルとライトは目を合わせて、肩をすくめる。
「扱いづらいお姫様だね。」
ライトの言葉にアイルは「クスッ」と笑った。
(ライトにとって、レイナはお姫様なんですね~。)
アイルは嬉しそうに1人、頷く。
「アイル、何、にやけてんの?」
「何でもないですっ!行きましょ!レイナが更に怒っちゃいますよ。」
アイルとライトもレイナの後を追って図書室へ急いだ。
最初のコメントを投稿しよう!