230人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
曇天の空の下、稀代な髪色の男と、花柄の着物を着た男―いや、獣が立っていた。
『お前も一緒に来いよ銀時。』
一歩、一歩。
『悪いな、高杉。一緒には行けねえ。』
段々と後ろの人物は獣に近づいてきた。
『そうか…。あばよ、銀時。』
ブシャァァァァア!
獣から吹き出た真紅の鮮血のしぶきが、稀代な髪色を赤く染めた。
『高杉!?高杉ーー!!』
獣を斬り殺した鬼は、さぞかし満足そうにほくそ笑んだ。
獣の骸を背に、銀色の光は―儚げに、消えた。
最初のコメントを投稿しよう!