その羽が消えるまで

8/12
前へ
/95ページ
次へ
途中 涙で文字が見えなくなった。 最後まで読み終えて そしてまた 涙が溢れてきた。 『オマエ、こんなとこで何やってんの!?』 あのときの 祐治の言葉を思い出す。 考えてみたら 祐治は私の事情を 何一つ知らなかったはずなのに。 「深くは聞かないで」 最初の私のそんな言葉を 祐治はずっと守り続け 最後まで 何も聞かずにいてくれた。 それでもきっと あのときの私の涙で 祐治は祐治なりに 何かをわかろうとしてくれたのだろう。 そして祐治は あの結論にたどりついた。 あの言葉の裏に 祐治の優しさがあった。 私は 気付くのが遅かった………
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加