その羽が消えるまで

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そうだね……… ここは アタシの居る場所じゃない。 茜に会ったときに なぜ本当のことを話せなかったのか。 私は 大事な友達に 心配をかけたくないからだと そう自分に言い聞かせていた。 だけど それは違う。 私は 心のどこかでは きっとわかっていた。 本当のことを知った茜に 帰れと言われることを。 それが 私を思ってくれる 茜の気持ちなのだ。 だからこそ あのメールでも茜は あえて 少しキツい言葉を選んだのだろう。 だったら私は そんな茜の気持ちを 無駄にしてはいけないのだ。 数時間後……… 駅のホームには 私の姿があった。
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