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人通りの少ない裏路地を俺は走っていた。なぜかって?ハッ…そりゃ見たら分かんだろ。この状況をな
“ボルトもびっくり全力疾走中”というキャッチフレーズがお似合いであろう俺の後ろには右手に果物ナイフを握り締めたオッサンが1メートルほどの距離を開けながらも追いかけてきているのだ。
君にはコレが何に見える?
少なくとも恋人同士のフレンドリーな追いかけっこには見えないだろうね。
あ、そいや恋人と変人ってなんか一瞬見間違えるよな…
…って誰に語りかけてんだろうね俺は。
今はそれどころじゃない
『ハァ…ハァッ…っ何がどうなってやがんだよっ!俺は誰かに命狙われるようなヤツじゃねぇぞっっ。』
すでに日も落ち掛けているこの時間帯でも誰一人すれ違いやしないのは俺の運の問題か?
『マジかよ…』
どうやら楽しい鬼ごっこは終わりを迎えるらしい。
しかしまさか行き止まりとは
コレはドラマだけのオチじゃないモンなんだな畜生。
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