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カランカラン…
ドアが開き、ウェルターが振り向く。
「…お昼ご馳走様…これからも宜しく頼むよキース」
「おう、じっちゃん」
キースは打ったところを摩りながら起き上がりカウンターから顔を覗かせてひらひらと手を振る。
「またね、じいちゃん」
「あぁ、また来るよ」
奥から皿を拭きながらウェルターに別れを言うジルバ。
「んじゃ行ってきま~す」
そうルーシーが言うとウェルターと共に店を出て行った。
「…店長、手伝ってよ」
「俺は店番してるんだ手伝えねぇよ、あと怪我人だ労れジルバ。」
「何が怪我人だ…ぐうたら店長め。だからルーシーに叩かれたり、さっきみたいなことされるんだよ」
「るせ…そういやアイツなにかとツッコんでくるよな…一緒に仕事するようになってからよ…」
「知らないよ、俺そんな前からいないし」
ジルバは奥に引っ込んでしまった。
キースはノブに掛かる札を『OPEN』から『CLOSE』に変えるため立ち上がる。
はぁ…と溜め息を吐き、頭を摩りながらドアに向かう。
「さぁ…骨董屋は閉店だ…」
サンセット通りの白い石畳に夕日の茜色が映える頃
骨董屋は閉店する。
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