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-レーヴェンツァーン サンライズ通り-
ルーシーはウェルターを家の近くまで送った帰りだった。
この国レーヴェンツァーンの西から東を一本で繋ぐ大通りがある。
西側をサンセット通り、東側をサンライズ通りと呼ぶ。
ルーシーはちょうど東側を車で走っていた。
「おじいちゃんとお喋りしてたらちょっと遅くなっちゃった…まぁいいわよね♪ついでにブティックに寄ろ。」
行き着けの店の近くに駐車して、赤い愛車から降りる。
「よぉ…姉ちゃん、俺と遊ばねぇか?」
「…!」
(いつの間に…全然気付かなかった)
何処にでも居るチンピラだろうと思い、ゆっくり振り向いてあしらってやろうとした。
だが…
「っ…」
(何…この圧力…)
眉より上に切り揃えられた短い金髪に見たことがない銀色の眼…片方は紋章のような瞳孔がルーシーの蒼眼を捕らえて放さない。
恐怖に言葉が出ず固まる。
「なぁんだよ…相手してくれてもいいじゃねぇかよ」
男の顔はルーシーの目の前まで迫っていたが男から退いて行った。
ルーシーは微かに震える肩を抱き、気を落ち着かせ、愛車に乗ると家路を急いだ。
「…。」
(何今のっ殺気を纏ったあの…)
蒼眼には銀の目と引き際に見た特徴のあるタトゥーが焼き付いた…。
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