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キースはどっかりと定位置の椅子に凭(もた)れ掛かり、カウンターに足を組んで乗せ、ひじ掛けに頬杖をつくこれが彼のお決まりのポーズ。
物事を考えるときはいつもそうだ。
「んー…お前らさっきのニュースなんだったんだ?」
「聞こえてたの?」
「まぁ…途切れて聞こえたよ…わかんなかったがな、で?」
「キルシェで死体が見つかったって言ってた。」
「女か?」
「ええ、女の子だけど…」
「名前は?」
「えーと…ミリア・クランベル…だったかしら」
「ふーん…確かじゃないが…こりゃ面白い依頼人だなぁ?」
「…?…店長、意味不明」
「んー?教えねーよ確実じゃないのは言いたくないからな…?」
「え?ちょっと気になるじゃない!」
「…依頼人が…ちょっと訳あり?」
察したジルバはキースに問う。
だが甘いフレーバーのタバコを胸ポケットから出して火をつけるだけで、何も返って来ない。
「さっきの…金髪のカワイイ子…ってニュースで言ってた女の子そっくりじゃない!!」
バンッとカウンターを叩くルーシー。
「そっくりじゃなくて同一人物だろ。」
「そんな信じられない…」
ぷはぁと煙を吐き出すと二人に言う。
「そりゃそうだ。お客は死んだ人間なんだからよ…」
キースは胸ポケットから煙草を取り出した。
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