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煙草を燻(くゆ)らせながらキースはゆっくりと立ち上がり、近くに放ってあるジャケットを羽織って出口へと進んで行く。
「キース、何処行くのよ?」
「現場。でもサツが張ってるだろうし…アイツの店で聞き込みしとくさ…」
カランカランッ
手をひらひらと振り、キースは夜の街へ出て行った。
「…気ままよね…あの男…」
「…それ、ルーシーが言うセリフ?」
「煩いわね…」
「パソコン弄ってくる」
ジルバはそう言うとゴーグルを頭に乗せて二階へと消えて行った。
ルーシーは話し相手が居なくなり、キースが今まで座っていた椅子に腰掛け机に突っ伏した。
「お願いがあるんです…」
「あなたはさっきの…あなた、ミリア・クランベルね何があったか話して?」
こう言うルーシーの言葉を無視して彼女は続ける。
「あの男に黄色い薔薇を…」
「あの男?黄色い薔薇??」
「毎日一輪…あの男に届けて…」
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