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誰も知らない場所にある倉庫から相棒のバイク『ZEPHYRχ(ゼファーカイ)』を引っ張りだす。
カラーはメタルブルー。
今まで羽織っていたものをライダージャケットに変えて、黒いフルフェースを被る。
ゼファーに跨がりエンジンをふかして倉庫を後にした。
目指すは事件の起きた国『キルシェ』。
だが現場には行かない。
行くのはルーシーの友人の店。
バー『ヴィヴィアン』
キルシェのラブラン街の人目に付きにくい路地にある。芸能人や政治家などがお忍びで通うバーだ。
扉には綺麗な黄色の薔薇の細工がされたステンドグラスが嵌め込まれており、それを開くと噎せる程の龍涎香(リュウゼンコウ)の匂いが襲う。
匂いを手で払いながらカウンターに近づく。
ピエロ
「いらっしゃい、道化師くん」
ビー・クイーン
「よう、女王蜂」
「相変わらず口の悪い男だねぇ」
「本当のことだろうが…この匂いどうにかなんねぇのか?」
「煩いねぇ…アタシが好きなんだ止める気はないよ。で?」
酒の入ったグラスをキースの目の前に置く。
「敏腕弁護士さんの話が聞きてぇんだが…ってジンライム…」
「朝まで付き合いなよ?」
「…オールする気はない」
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