act.1

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「あ、そういえば……ホントにいいの?杏ちゃん」 コタローがテレビから視線を外し私を伺うように見つめてきた。 「いいの!いいの!」 「だって!竜様の命令では……」 「いいんだって!あのままで。竜と同じ部屋なんて……落ち着かないよ!」 そう。 今回、竜が帰国することで変わろうとしていたこと。 それは……私が竜の部屋に移るという話。 もともと扉1枚で隔<ヘダ>てられていた隣同士の部屋だったけど 竜いわく……その扉1枚すら気に喰わないということで 今回、竜が戻ってくるのをきっかけに 2人一緒の部屋にしようというものだった。 だけど………。 それに断固¨反対¨の私は竜の命令も無視し 頑として部屋を移動することは無かった。 だって………竜なんかと一緒にいたら カラダが幾つあっても、もたないよ………。 あ!イヤラシい意味じゃなくてね 私の心臓がドキドキしちゃって 毎日が呼吸困難になりそうなんだよ。
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