短編を書いてみたい

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 最近、面白い短編集を読んだ。  それはノンジャンルの短編集。恋愛に自伝的なものもあれば、作者の自己満足にしか思えないショートショートも盛り込まれていて、バラエティーに富んでいる。一冊の本としては纏まりが無いようだけど、そこはさすが売れっ子作家である。読みきった後、一冊の本としてしっかり締めくくられていた。  うまいなぁ、こんなん書いてみたいなぁ。そう思ってモバゲーにこんなのを立ち上げてみた。真っ白な部屋にて。   小説は日頃からたくさん読んでいる。ざっと見積って年間100冊はいくだろう。だけど、読んでるからといって書けるかと言ったら、そんなに簡単なものではない。こないだ、ちょっとした恋愛ものの小説を書いていて、実感したことでもある。  きっと大したものは書けないだろう。まぁ、いいや。暇潰しにでも書いてみよう。筆をとる代わりに私は携帯を開く。  さぁ、何から書いてみようか。出だしは大切だからね、面白い題材にしよう。やっぱり恋愛ものが一番読者を惹き付けるだろうか。いや、ファンタジーとかホラーとか、私が書かなさそうなジャンルを書いて意外性をついてみるのも面白いかもしれない。  そんなこんなで悩んでいたら、しっくりくるアイディアが浮かんでこないので困った。最初からこんな調子では、先が思いやられる。   辞めたいのにどうしても辞められず、毎日一箱消費してしまう煙草を吸い込んで、アイディアをもう一度捻ろうとした時、ようやく型にはまるものが落ちてきた。ニコチンは中毒者に、アイディアや集中力を与えるものだ。  短編について書いてみよう。短編集の始まりに、短編の短い話。あれ、文字に直すと少しややこしいな。   携帯のボタンをポチポチ押しながら文章を作っていくと、あれよあれよと書けている。そして、今に至る。
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