-序章-

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記憶喪失…。 自分でそう理解はしていたが、不意に突然自分の名前を思い出したアクセル。 だが今はそれだけでしかない。 何故か自分は、フェストゥムに固執していたような気もする。 倒せば分かる、か…。 【あなたは  そこにいますか?――】 「アクセル!分かった!だがフェストゥムの読心能力には気を付けろ!それと、奴の質問には絶対応えるんじゃないぞ!」 一騎からの注意を受けるが、アクセルにはそもそも記憶が無い。 何処にいるかも分からないでいる自分には、応えようがない。 フェストゥム迎撃の為に空を舞っていた戦闘機。 多分、竜宮島とやらの自衛手段なのだろうが、不意に現れる黒球を避けられず、ことごとく消滅させられている。 応えたら、ああなるのか…。 「ちっ…記憶を無くした早々、厄介な奴だ。ウロコ砲!連打!」 アクセルの機体は、シンプルな出で立ちの中に力強さを宿したような人型の機体だ。 真壁一騎の駆るファフナーMk.XI(マークエルフ)より二周りも大きく、強襲用として運用されているようにも見える。 その機体の両の手のひらに蒼い光が宿り、次の瞬間。 拳を交互に突き出し、その光を数発、フェストゥムに向かって連続で解き放った。
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