-序章-

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「総士…終わった…。」 一騎の機体からそんな言葉が聞こえた。 誰だ? 誰かと話しているのか? 「総士?」 「あぁ、すまない。ファフナー繰者に指示を送る、ジークフリードにいる皆城 総士(みなしろ そうし)。俺の幼なじみだ。」 聞くだけではよく分からない。 が、想像するに、そのファフナーだけに接続されている通信なのだろう。 その通信を皆城 総士と言う人間がやっている、と。 しかし… 「皆城…」 アクセルには聞き覚えがあって気がならない。 無くなった記憶の隅に引っ掛かるような… 結局フェストゥムと戦っても、記憶の手掛かりにはならなかった。 だが、本人は気付いていなかった。 自分の発した言葉に。 空間転移――― その言葉の重大さに、彼自身が気付けないでいた。
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