序章・クローゼットに潜むストーカー

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転んだ拍子に、ナイフが飛んでいき壁に刺さる。 男は顔面を強かに床で打ちつけたらしく、両手で覆いながら騒いだ。 「ぎゃああああ!!鼻がっ!俺の鼻がぁっ!!」 「やかましいッ!!」 少年の拳が、男の顎をアッパーで打ち抜く。 その一撃で男は脳震盪を起こし、仰向けに倒れた。 誰が見ても、明らかに男は意識を失っている。 しかし日本刀を持った少女は、あろうことか無防備な男の股間に思いっきり足を振り下ろした。 ブチュッ 「み゛ゅっ!?」 何かが潰れるような、湿った音。 意識を失っていたはずの男が一瞬だけ目を見開いて、奇妙な声を上げる。 顔を真っ青にさせる少年の目の前で、男は口から泡を吹きながらさらに深い眠りについた。
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