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「俺たちはこれで失礼します。あ、警察は呼んどくんで。警察に何か聞かれたら適当にお答え下さい。笹山という刑事に話をつければ、多分あなたに面倒はかかりませんから………ほら、行こう」
「む?そう言えば私たちはお使いの最中だったな」
少年と少女は一緒に部屋を出て行こうとする。
ぽかんとしていた女性は、慌てて二人を呼び止めた。
「あ、あの!あなた達は一体………?」
二人は振り返り、答える。
「俺は名神楽澪司(ナカグラレイジ)。小さな探偵事務所の息子です」
「私は山神美月(ヤマガミミツキ)という。では、私たちはお使いがあるのでこれで」
二人はそう言うと、部屋を後にした。
女性はしばらくの間、彼らを見送っていた。
彼らの綴る物語が、彼らの語る怪談が、今、始まる。
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