序章・クローゼットに潜むストーカー

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彼女は何度も警察に被害届を出したが、警察の答えはいつも同じ。 『実際に被害が出たら』 『今はまだ様子を見る』 女性は、もう被害が出てるから届を出してるんじゃないか、と警察の怠惰な対応を不満に思ってはいたが、動いてくれないのではどうしようもない。 そのうち彼女は証拠があれば警察も動いてくれるのではないかと考え、自分の不在時の自室に監視カメラを設置したのである。 小型の盗撮用のカメラで自分が居ない間のことを記録しようとし、彼女がそれを設置したのが今日のことだった。 彼女は帰ったらその記録を警察に渡し、さっさとこの恐怖から解放されたかった。 そして、彼女がもうすぐ家に着くという時である。 「あの……すいません」 突然彼女は、背後から見知らぬ少年に声をかけられた。
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