序章・クローゼットに潜むストーカー

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しばらくしてストーカーは満足したのか、家具を現在の位置に動かしてから一休みしている。 そして何を思ったのか、突然クローゼットの中に入っていった。 女性はそれまでの映像でも既に泣きそうになっていたが、これを見てクローゼットの中の洋服を全て処分することに決める。 気味悪さに吐き気を感じつつ半泣きで画面を見ていると、女性は違和感に気づいた。 映像は早送りで見ている。 なのに、いつまで経ってもクローゼットに入っていったストーカーが出て来ない。 このあたりで、女性は危険を察知していた。 しかし、人間というものは意外と危険を察知しても動けないことが多い。 彼女もそれに漏れず、できることはただ画面を凝視するだけだった。
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