32人が本棚に入れています
本棚に追加
『ただいま、アツヤ』
(ああ、おかえり・・・士郎)
なんて、声に出ないこの声は決してお前に届くはずもなく。
ただ俺は、お前が目の前で泣きじゃくる姿を見る事しか出来ないんだ。慰める事も同情する事も、何も出来ない。
どうして俺はあの時雪崩に巻き込まれたんだ?
なぜお前一人が残されたんだ?
もし俺もお前と生きていられたならば、これからの人生を共にし、泣く事も笑う事も、全てを分かち合えたはずだ。
―・・・なあ、泣き止めよ
俺は此処に居るから
なあ、
―さよならなんて言わないから、頼むから、
嗚呼神がこの世に存在するのなら、一生一度のお願いだ・・・
士郎と再びこの身を持って
―会いたい
――
アツヤside
最初のコメントを投稿しよう!