大事な君

9/16
前へ
/244ページ
次へ
~莉菜Side~ 莉『じゃあ、また明日来るね☆』 悠『おう。またな』 あたしは面会時間のギリギリまで悠護といる。 面会時間の終わる頃には外も暗くなっていて… 毎日お兄ちゃんが迎えにきてくれていた。 莉『もぉ来てるかなぁ?』 そぉ呟きながらあたしは玄関から出た。 『おっ?昼間の可愛い子だ』 声のした方を向くと煙草を吸っている昼間のナンパ男がいた。 …最悪。 無視しよ… あたしは無視をして通り過ぎようとした。 莉『痛っ!』 男にいきなり腕を掴まれた。 莉『痛いから離してよ!』 『やだね。あんたが遊ぶって言ってくれるまで』 莉『だから彼氏がいるんだってば!』 『あんなチャラい奴より俺の方がいぃよ』 ムカつく…! 莉『あんたなんかに悠護の何がわかるって言うのよ!?』 『フン…あんな男に…』 莉『えっ…?ンッ!?』 無理矢理引っ張られると男にキスをされた。 壁に押されて身動きが取れない。 やだ… やめて… 一瞬川崎先輩が頭をよぎった。 莉『やめて!』 あたしは男を突き飛ばした。 『いって…………お前…震えてんのか?』 気付かなかったけど… あたしは体が震えて止まらなかった。
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2681人が本棚に入れています
本棚に追加