六月、梅雨の季節

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な、なッ!何が!? 俺の目の前には近すぎるくらい近くに鈴音の顔がある。 頭が真っ白になって何が何だか……。 分かるのは、さっきまで俺の顔の近くにあった鈴音の顔が少し離れて、唇を両手で覆う姿鈴音の満面の笑み。 「えへへ……私の初めてのチュー」 「え、う……あ」 何を言ってるんだ。 「それじゃ、私は先に行くけど……この事は、誰にも言わない約束だよ!」 そう言うと、鈴音は右手の人差し指を立てて鼻先まで持っていき『内緒だよ』と頬を赤らめ、笑顔のまま俺の部屋の窓から出て行った。
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