六月、梅雨の季節

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「あんた……朝からそんなにニヤニヤして、何か良いことでもあったの?」 明らかに疑っているようで眉間にシワを寄せ、目を細めながら聞いてきた。 「ナンニモナカッヨ」 ヤバイ……片言になっちまった。 「ふぅ~ん……そう。なら別にいいんだけど。それより早くご飯食べに来てよ。お皿片付けないといけないから」 そう言うと、琴音は俺の部屋の窓から首を引っ込めて姿を消した。 ふぅ、危ない危ない。危なく勘づかれるとこだった。 油断は禁物だな。アイツ昔から勘は鋭かったからな……。 それより、鈴音は何って言ったっけかな?確か『他の人には言うな』だっけかな?
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