現れたお姫様

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王子様はお姫様の手を振りほどくと当惑した表情で一歩体を退きました。 「待って。意味が分からない…どうして貴女を…カインとは…」 聞きたいことが有りすぎて王子様の口から出された言葉は疑問の欠片。 それでもお姫様は理解しました。 「貴男、名前は?」 「…エディル。エディル・フリジア・エスペルト」 王子様、エディルはお姫様の真っ直ぐな琥珀の瞳に負けて名乗りました。 お姫様は僅かに自嘲めいた薄い笑みを唇に浮かべました。 「私はユダ。ユダ・フリジア・エスペルト。エディル、貴男の祖先に当たる者よ」
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