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ふわりふわりと淡雪が降り始めてきました。
しかし、ドラゴンの姿は何処にもありません。
樹氷の森にドラゴンがいる。
王子様にはこれだけしかドラゴンの居場所を知る情報はありませんでした。
それでも、王子様は白い木々を進んでいました。
冷たい風が王子様の肌を刺し、淡雪は金色の髪に降り積もっていきます。
空を見上げれば灰色の雲は延々と続き、雪が消えることがないのを告げていました。
もし、見つからなかったら…。
不安に駆られ、王子様はそれを振り払うように首を横に振り尚、歩き続けました。
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