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「……………?」
咲夜と一緒に出ていった筈の十夜の気配を背後に感じる。
振り返ってみると、やはり十夜がそこに立っていた
「……どうしたの?……咲夜が待ってるわよ……早く行きなさいな……」
「………えっと、………あの、パチュリー様。……僕、時々ここに来てもいいですか?……ここにある本を、僕も見てみたいです」
少し控えめに尋ねてくる
「………………………いいけど、わたしの邪魔はしないこと……」
長考の末、わたしは了承していた。
「あ、ありがとうございます、パチュリー様!」
十夜は顔を輝かせてから、少し頭を下げて礼を言うと、今度こそ咲夜の後を追って図書館から出ていき、辺りに静寂が戻った
「……騒がしいこと………」
口ではそう言っていたが、わたしは不思議と嫌な感じはしなかった
何故だろう?
…今までわたしは、自分以外がこの図書館に居ること自体が非道く不機嫌に思えていたのに……
何故、この少年の願いを受け入れてしまったのだろう?
良く……分からなかった
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