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「……でも、僕はパチュリー様の表情とか見てるのは好きですよ。
難しそうに考え込んだり、
本を読んでるときに時々口元が優しく笑ったり。
真剣に本を見ている目も、綺麗な紫色の髪も。
魔女かどうかなんて関係ないです……
それに、僕がここにいても追い出さないじゃないですか。そんな優しい所も好きです」
「…………そう……」
わたしが優しい?……とんだ勘違いだ。わたしは、ただ興味が無いから彼を放っておいただけなのに……
「好きにしなさい……」
わたしは、今度こそ放っておく事にした。
彼もこんな日々にはすぐに飽きるだろう、そう思っての事だった
「はい!」
十夜は、元気良く返事を返すと自分の持っていた本に視線を落とした
(全く………奇特な子供ね……)
「じゃぁ、パチュリー様!また明日来ます!」
自分の本を読み終えた十夜がわたしに挨拶をして図書館を出ていく
(明日………また、明日も来る気かしら?)
そう、思ったとき扉の外に消えていった十夜がひょこっと顔を出した
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