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「パチュリー様!忘れました!」
(・・は?……何を忘れたっていうの?)
辺りをきょろきょろと見回すが………得に何も見当たらない……
「違いますよー。忘れ物をしたんじゃなくて、渡し忘れたんです」
パタパタ、と十夜がわたしの前まで駆けてきた
「パチュリー様、手を出してください」
「何………?」
言われるままに、わたしは両手をくっつけて十夜の前に出した
十夜が自分のズボンのポケットをゴソゴソと捜す
「……あっ、あったあった。はい、パチュリー様。」
「これ……何………?」
わたしは自分の両手に置かれた物体に目を向けた。
色とりどりの小さな布。
それぞれが中央で結ばれているように細くなっている
結構な量だ
「何って、…リボンですよ。知らないんですか?」
「知ってるけど………」
(これをどうしろというのだろう?わたしが身に付けるの……?)
「パチュリー様、いつも同じような格好しかしてないから……その時の気分で好きな色のリボンを付ければいいかなって。
例えば、『ちょっと落ち込んでるな』って言うときは青色を付けて、
『ちょっと怒ってるかな』っていうときは赤色を付けるとか……色んな色がありますから」
「……………ありがとう……」
(……本当は、あまりいらないけど……ここで返して泣かれても、困るしね………まぁ、折角だから貰っておきましょ。
貰い物をして悪い気はしないし……)
そう考えて十夜に礼を言った
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