76人が本棚に入れています
本棚に追加
「やだなぁ、別に泣きませんよ、ただ、返されても僕が付けるわけに
はいきませんから、困ると言えば困りますけどね…」
「……そう……」
……えっ?
「……ちょっと、十夜!今、わたし声に出してたの……?」
「いいえ、パチュリー様は心でそう思っただけですよ?」
「じゃあ、……なんでわたしの考えた事をあなたが知ってるの!?」
「……聞こえましたから」
意味が分からない………わたしは声に出してはいない……しかし十夜には聞こえている……でも、わたしは声に出してない……でも、十夜は聞こえたと……………訳が分からない!
『この子ちょっと変わった力があるんですよ』
不意に、初めて十夜と会った時の咲夜の声が思い出される……
……だとしたら、考えられることは、ただ一つ………
「……十夜、あなた、ひょっとして…………心が……読めるの?」
「………………………」
十夜は答えない
「…そうなのね………?」
「……………はい」
先程までとはうって変わって、十夜は下に顔を俯き、表情は暗く沈んでいた。声のトーンも普段より少し低い。
……わたしの目にはまるで、今にも泣き出しそうなのを必死に堪えてるように見えた
最初のコメントを投稿しよう!