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「パチェ~、久しぶり~」
十夜の事があった翌日の夜、ものすごく久しぶりにレミィが図書館にやってきた。………本当に久しぶりだ……
もっとも、わたしのいる位置からは、その小柄な体は一切見えなかった。本の山に邪魔されて……
「……久しぶり、レミィ。元気だった?」
わたしは椅子から立ち上がり、彼女の姿を捜す……数メートル先の本の間から彼女が身に付けている薄布製の帽子と、
背中から生えている黒い蝙蝠のような羽の一部が見え隠れしている
(……やっぱり、レミィは小さいわね)
なんで、わたしより5倍以上生きてるのに、わたしよりも幼く見えるのかしら?
まぁ、魔族の類は自分の魔力の大きさで成長の度合いが変わってくるって言うし…
わたしよりも遙かに魔力が強いのよね、レミィは……
「あっ、やっと、見つけたわパチェ……って、どうしたの、その格好……?」
レミィがわたしの姿を指差して少し驚く………
「………変かしら……?」
「変!」
そりゃまぁ驚くだろう、久しぶりに会った自分の友人が体中にリボンを纏っていれば………
…わたしは、少し気に入ってきてたんだけど
「……別に、変でも構わないけど……それで、今日はどうしたの…?」
そうだった、と思い出したように(実際に忘れていたのだろうが)懐から一冊の本を取りだした
「これを、届けに来たのよ」
わたしは、その本を受け取り表紙に書かれている魔文字を目で追った
ーグリモワールー
高度な魔術書だった。それこそ、世界に数冊しかないと言われている希少価値の高い本
もちろん、わたしも喉から手が出るほど欲しがっていたものだ
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