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「…もう、笑い過ぎよ、レミィ!それで…」
レミィは、まだ少し可笑しそうに笑っていたが、話題転換に乗ってきてくれた
「えぇ、そうよ。あの子が今日の昼間、倉庫の中を探検してて偶然見つけたそうなの。それで、『この本、パチュリー様にあげてもいいですか?』って
私の所に走り込んできたのよ。わたしはその時、体が小さかったからあの子も驚いていたようだけど…『レミリア様ですか?』なんて訊かれたわ。」
そう、彼女は吸血鬼。一般的な吸血鬼よりも能力が高いために日中でも力が下がることは無いが、その代わりに姿が………今、
目の前にいる姿よりも更に幼くなってしまうのだ。十夜はそんなレミィの姿を見たのだろう、驚くのも無理は無い……
「それにしても、レミィ、あなた。よく、十夜の血を吸わないわね……あなた確か、人間は全て食料として見てるんじゃなかったの?まぁ、例外は咲夜の時もだけれど……それに、小さい時の姿は咲夜にも見せないのに、十夜に見せて良かったの?」
「私が血を吸うのは、私を畏れる者の血だけ。前に言わなかったかしら?……あの子には、私を畏れる気持ちが微塵も無いの。
それに、小さいときの姿を見られて平気だった訳じゃないわ。腹は立った。でもね、……あの子、その本を私の前に差し出して、
パチェにあげてもいいか、なんて笑顔で訊いてくるものだから、そんな気にもならなかっただけ。…あなた、かなり気に入られたみたいね。…それに、あなたも随分あの子の事気に入ってるんじゃない?
毎日のようにあの子が遊びに来ても嫌がる素振りが無いじゃない?」
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