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気に入っている……?わたしが?十夜を?
「確かに、一緒にいて悪い気はしないわね…」
「それが気に入ってるって言うのよ。あなた、今まで自分以外があの図書館に入るのをすごく嫌がってたじゃない?
なのに、あの子だけはすんなり受け入れられた……それが証拠でしょ」
そう言って、レミィは、図書館に入ってきたときに見せた複雑な表情をまた見せた
………良く、分からない………
「ま、あの子にあったらお礼でも言っておきなさい。明日にはまたここに来るでしょうから」
そういえば…今日は十夜の姿を見ていない。昨日別れ際に『明日も来ます』と言っていたのに………
「あの子が今日ここに来なかったのは、単に騒ぎ疲れて寝てるだけよ。本当は自分で渡したかったんでしょうけどね。面倒だけど、私が持ってきたのよ」
わたしの心を読んだようにレミィが答える
「顔に書いてあるわ」
そう付け加える
「じゃあ、用事はそれだけだから、私はそろそろ館に戻るわ。あんまり遅くなると咲夜に怒鳴られるし………」
それだけ言うと、レミィは出口へと向かって歩き始めた。
わたしは、人間の従者に怒られる魔族の主を頭の中で想像して少しだけ笑って、彼女の後ろ姿を見送った
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