脱出

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キラキラした世界は次第に遠ざかり、次第に世界は薄暗くなる。     暗い場所は、少し落ち着く。       ヒトが、何か言ってる。     「どうせ…持  帰っ…も」 「…死ぬ… ら…放…て  川…」       良く分からない。         突然、わあっと視界が揺れる。さっきより大きい浮遊感。区切られた世界の水と共に、身体が傾き…       落ちる 落ちる 落ち       その時、ヒトが何か言った。         「強くなれ!!」         ぼちゃん。         そこは見た事も無い水。広い広い。 こぽりこぽりと音のする変わりに、緩やかに水が流れる。   冷たい。気持ちいい。       キラキラの外の世界は、こんなにも広い。       きっとこのまま行けば、幸せな世界に行けるに違いない。       赤いひれを懸命に揺らして喜ぶ小さな彼を、ただ1羽の白鷺が、目で追っていた。    
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