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―朝、嫌い。
うんざりするほど胸中で繰り返した言葉。
大体満員電車がいただけない。こんな精神衛生上宜しくない乗り物が存在していて良いのだろうか。いや良くない。
大体、見ず知らずの他人同士がこんなに接触して、不快感が表れない訳がない。加えて今目の前にあるのは、テカりきったオヤジの…毛乳頭の絶滅が危惧される頭。
あーテカってんな―…頭全体テカってんな―…
これ油?油か?あぶら取り紙貼ってやりたい満遍なく。
もしくはボディペーパーで音する位拭いてやりたい…
ああああオヤジ臭が…
電車が駅に滑り込む度、人の波が動く。
―…あと、二駅かあ。
道のりの険しさに溜息。それにつられたのか、背後で誰かが小さく溜息。
吊革を掴む手が痛い。オヤジと密着ウザすぎる。こんな生活もう、いやだ。
…そんなことを繰り返す。昨日も明日も、その先も。
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